ごあいさつ

 2016年に神戸の地で誕生した神戸看護学会が、早くも9回目の学術集会を開催する運びとなりました。日頃からのご支援とご協力に心から感謝申し上げます。

 第9回学術集会のメインテーマは、「わかちあおう、看護の価値と魅力を」といたしました。
 今日、保健医療福祉ニーズが質量ともに増大し続ける中で、医師や看護師をはじめとする従事者確保と、そのための働き方改革は待ったなしです。先般の新型コロナウイルス感染症拡大の中でも、最も不足していたのは機器でも病床でもなく人材だったといわれています。人材の確保定着のためには、労働諸条件の整備改善が不可欠ですが、もうひとつ重要なのは、人材を職場に引き寄せ引き留める仕事の価値と魅力にほかなりません。
 わたしたち看護職者は、自らの仕事に、どのような価値と魅力を感じているのだろうか。あるいは、どのように価値や魅力を見出そうとしているのだろうか。他方、看護職者と協働する周囲の従事者や利用者は、看護にどのような価値と魅力があると思っているのだろうか――こうした問いを基調として、本学術集会を開催したいと思います。
 そのための最強・最良の支援者として、記念講演では、約40年にわたり看護師、作家、コラムニストとしてご活躍中の、宮子あずさ氏にご登壇いただきます。宮子氏には、講演後の対談にもじっくりお付き合いいただき、参加者のみなさまと双方向のやりとりができる仕掛けといたしました。

 戦後医療政策の転換点だった、第一次医療法改正からもまもなく40年。本学術集会が、これまでの看護のありようを振り返り、これからの看護を展望するための、貴重な交流の場になればと願っております。みなさまのご参加を心よりお待ちしております。

 

第9回神戸看護学会学術集会大会長 林千冬 
   (神戸市看護大学 基盤看護学領域 
         看護管理学分野 教授)