第6回 神戸市看護学会 学術集会長 挨拶

 本学術集会にご参加いただいた皆様に、心より御礼申し上げます。2021年度の学術集会は2020年度に引き続き、オンデマンドで開催させて頂くことになりました。
 新型コロナ感染症によるパンデミックは、私たちの生活や社会のあり方を大きく変化させましたが、その変化のうちの一つに学会活動があるのではないかと思います。オンラインで開催することにより、時間や距離を超えて、より多くの皆様にご参加いただけるようになったのではないかと思っております。
 本学会の企画を考え始めたのは2020年の年末でした。新型コロナ感染症とインフルエンザの同時流行が危惧される中、心に浮かんだのは先が見えない不安やストレスのなかでこの状況を抜け出すために必要な力は何か、この状況を耐え抜くために必要な力は何か、でした。それは一人ひとりの看護職だけではなく、病院や介護福祉施設等を含む地域住民全体が必要としていることであると考えました。
 そこで、学会のテーマを「地域のレジリエンスを支える看護」としました。
 レジリエンスという言葉は、一般の書籍にも見られる言葉で、ビジネス、教育、心理、
福祉、災害医療、環境分野などさまざまな分野で用いられています。それはつまり、レジリエンスが人間や物質、生態系などにおいてみられる普遍的な現象であり、人の心を捉える魅力のある考え方であるからだと思います。
 今回、レジリエンスを軸とし、災害から早期に回復するために必要な防災・減災における看護、看護職が大震災の回復過程から得た気づきと伝承、地域住民の健康と生活をささえる看護、地域における遠隔看護の現状と未来、看護師自身の回復をささえるもの、パンデミックを超えて発展し続けるための柔軟な看護教育の考え方と現状について等、多様な側面からレジリエンスに通じる企画を設けております。
 また本学会では、オンデマンドにおいてもできるだけ参加者の皆様との交流をはかるため、各企画に掲示版を設けました。多くの皆様からのご感想やご意見などをお待ちしております。

2021年10月吉日

第6回神戸看護学会学術集会長 池田 清子
小山富美子
(神戸市看護大学)